資源ビジネスでの巨額減損が相次いだ2016年3月期の総合商社決算。大手5社の特別損失の合計額は1.2兆円にも上り、純利益の合計は1443億円(前年度は1兆0400億円)と前年度対比で8割以上が吹き飛んだ。

各社とも資源案件の減損一巡を見込む今17年3月期の純利益計画値の合計は、1兆0600億円と一昨年度並みの水準に戻る見込み。だが、巨額減損のつめ跡は深い。

「あの物産が非資源を打ち出すとは」と業界内で驚きの目で見られたのは三井物産。最盛期には純利益の8割を資源が稼いだが、前期は三菱商事と同じく銅事業などで大口損失を計上し、初の赤字決算に転落した。

従来、資源事業への絶対のプライドを持ち「非資源」という言葉を使ってこなかった三井物産だが、早期に「非資源1400億円を2000億円にしていく」(安永竜夫社長)と宣言。強みの鉄鉱石、天然ガス権益への投資は継続する意向だが、大幅な方向転換を図る。

垣内威彦社長の新体制の下で復活を期す三菱商事も今期の純利益計画は2500億円と15年3月期の4005億円と比べ冴えない。前期に市況暴落が直撃した養殖サケが回復しても、なべ底の船舶市況や不動産売却益の一巡など非資源が牽引役になるにはまだ時間がかかる。

資源市況が低迷するかぎり、三菱、三井の財閥2社は資源事業の低水準が回復の足を引っ張る構図がしばらく続くだろう。

2期連続で大口減損を計上した、住友商事、丸紅の首脳の顔色も冴えない。「バランスシートの改善が最優先」(丸紅の國分文也社長)、「痛みを伴ってでも低採算のヘドロ資産を売却する」(住友商事の中村邦晴社長)。

決算説明会では不振事業のテコ入れと格付けを強く意識した事業計画を公表した。市場関係者には、「成長も株主還元も当面は期待できない」と不満の表情が浮かぶ。

5社順位は総入れ替え 伊藤忠が独り勝ち

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