14万5000人──。これだけの人が、毎年日本で喫煙と受動喫煙によって死んでいる。2014年の年間死亡者数は約127万人であり、たばこがなければ1割以上は死なずに済んだのだ。

たばこの煙は不完全燃焼によって発生しているため、人体に有害な物質が約200種類、中でも発がん性物質は約70種類含まれている。

「喫煙=肺がん」だけではない。口から入った煙は喉頭、咽頭、食道を通り、肺に到達。肺に入った発がん性物質は血液を通して全身へ運ばれ、体中ががんのリスクにさらされる。さらに、呼吸器・循環器疾患や糖尿病、失明の危険性も高まる。

禁煙や受動喫煙防止に関する日本での対策は、世界から大きく遅れている。厚生労働省が国の健康増進を担う一方、財務省は年間2兆円というたばこ税の巨額収入に加え、たばこメーカー・JTの筆頭株主として年間数百億円の配当金も手にする。「健康vs.経済」の対立構図が根底にある。

とはいえ、喫煙による超過医療費は1.7兆円、入院・死亡による労働力の損失は2.4兆円という試算もあり、税収と配当金の合計を優に超える。これらを基に厚労省は財務省に迫るべき。日本の喫煙率はここ数年20%前後で下げ止まる一方、政府は6年後の22年に喫煙率を12%まで下げる目標を掲げる。達成に向けてやるべきことは山積みだ。

厚労省の調査によると、低所得層ほど喫煙率が高い。

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