リオ最大のスラム街での麻薬組織と当局の銃撃戦(今年5月)。こうした事態は頻発している(AP/アフロ)

オリンピックとパラリンピックの開催が8〜9月に迫るブラジル・リオデジャネイロ州。6月17日、州財政が危機的状況に陥ったとして、非常事態宣言に踏み切った。「治安維持や保健・医療、教育、交通、環境面の運営が崩壊する」リスクがあるとし、連邦政府に対して財政支援を要請している。

同州の最大都市リオデジャネイロには、国営石油公社であるペトロブラスの本社と関連企業が多数あり、州財政は原油関連収入に大きく依存している。2014年来の原油価格暴落で歳入が大幅に縮小したことで、財政悪化に歯止めのかからない状態が続く。

同州をめぐっては15年、料金滞納を理由に、州庁舎の電話やインターネット回線が数日間にわたり止められた。16年初には、州立病院で給与支払いの遅滞に伴い、医師や看護師がストライキを決行。足元でも公務員給与の遅配や年金支払いの停止といった悪影響が表面化している。

連邦政府はリオ州政府に対して、行政サービスの合理化をはじめとする非常措置と引き換えに、29億レアル(約890億円)の緊急融資の実施を決定。五輪開催時に公共サービスが止まる最悪の事態は避けられるもようだ。

一方、五輪開催に関係する競技施設や事業の運営については、リオ州ではなくリオ市が管轄している。一連の決定を受け、リオ市は市管轄の事業はほとんどが終了したとし、五輪開催への直接的な影響はないとの考えを示した。

しかしながら、州政府が管轄する警備など、治安維持関連への影響は懸念されている。6月19日には、五輪大会の指定病院である、公立病院が麻薬組織に襲撃される事件が起きたばかりだ。

国の赤字は過去最大

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