幕末から明治にかけての教育の変革に匹敵する大きな改革であり……わが国の命運を左右すると言っても過言ではない──。文部科学省の高大接続システム改革会議が今年3月にまとめた最終報告書は、こんな大仰な表現で、2020年から始まる大学入試改革を中心とする高大接続改革の意義を強調した。

改革を急ぐ背景には、グローバル化やICTの進展に伴う産業構造の転換など、社会変動が激しさを増す時代状況がある。教育改革をめぐっては「今後10~20年程度で、米国の雇用者の約47%の仕事が(コンピュータ化で失われる)リスクにさらされている」とした英オックスフォード大学マイケル・オズボーン准教授らの論文「雇用の未来」の指摘も引き合いに出されてきた。先行きの不透明な時代に自ら人生を切り開く力を身に付けさせる改革は待ったなし、という認識が広がっているのだ。

知識定着度偏重から思考力の測定へシフト

高校では22年から適用される次期学習指導要領(改訂作業中)は、1知識・技能、2思考力・判断力・表現力、3主体性・多様性・協働性、という「学力の3要素」をバランスよく養うことを徹底する。その実現のテコにするため、まず入試を知識の定着度測定偏重から脱却させ、より高次の2、3の力を測る方向に変革する。

[図表1]
拡大する

現在の大学入試センター試験は、難関大学から選抜性の低い大学まで、幅広い層の受験生を同一テストでカバーする難しさを抱えている。そこで、1の知識・技能の定着を中心にみる高等学校基礎学力テスト(以下、学力テスト)と、2の思考力・判断力・表現力を中心に測る大学入学希望者学力評価テスト(以下、入学テスト)に分け、各大学個別の独自入試では3の主体性・多様性・協働性を測るというすみ分けが構想された(図表2)。

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP