寒さが続く冬晴れの日だった。2016年2月8日。東芝や東京証券取引所、日本郵政の社長を歴任してきた西室泰三がこの日、検査入院することになる。長く苦しい闘病生活の始まりだった。

2月下旬に予定されていた日本郵政の定例会見は急きょ中止。13年6月の就任以来、原則として毎月行っていた会見は1月28日が最後となった。この日以来、西室は公の場に姿を現していない。

日本を代表するビッグカンパニーや民営化企業を率いてきた西室。そのリアルな人物像や経営手腕は意外に知られていない。しかし、東芝時代などのエピソードをたどっていくと、西室の会社経営に携わった20年の輪郭がよく見えてくる。

それにしても、2015年という年は西室の経営者人生の中で最も過酷な1年だったはずだ。4月に東芝で不正会計問題が発覚。7月に第三者委員会は歴代3社長が不正に直接関与していたという報告書を公表した。西室は「悲しいです。それ以上ありません」と述べた。

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