タガニート製錬所は2013年9月に開所。独自のHPAL法で低品位の鉱石からニッケル中間物を生成する(写真提供:住友金属鉱山株式会社)

かの“黒田日銀大明神”にお灯明の一つもあげるべきところだろう。

「非鉄のデパート」住友金属鉱山。原油ほどの大暴落ではないにせよ、2014年後半から非鉄金属市況はおしなべて失速している。逆風の中、14年度第3四半期(4~12月)の経常利益は、前年同期比6割増の1401億円。通期も従来の1550億円から、1700億円(前期比5割増)へと上方修正した。

目が回るような展開になったのが主力のニッケルだ。13億ドルを投じたフィリピンのタガニート製錬所が下期に年間3万トンのフル操業に移行したのは予定どおり。だが市況がジェットコースターだった。

14年1月、ニッケル鉱石の世界最大の産地、インドネシアが鉱石輸出を禁止したため、ニッケル市況は年初から5割上昇し、一時は1トン=2万ドルを突破。「年内3万ドル」の声も出た。フィリピン鉱石が原料のタガニート製錬所は、インドネシア禁輸の最大の受益者になるはずだった。

ところが、中国の製錬業者が事前に大量の鉱石を買いだめしていたことが判明すると、一転、市況は急反落。3万ドルどころか、年末1万5917ドルに。会社の想定価格1万6534ドルさえ割り込んだ。

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