[ポイント1]
不登校になって、家でインターネットに逃げている子どもは多い。だいたいニコニコ動画を見て、カドカワのライトノベルを読んでいる。

[ポイント2]
通信制高校って、行きたくない高校になっている。でも、僕らが本気を出せばたぶん、みんなが行きたいと思う高校も作れる。

[ポイント3]
みんな友達がほしいんです。単位を取るための高校はあっても、そこでコミュニティを本気で作ろうとしているところはない。

 

 

インターネットを活用した映像授業を行う通信制高校「N高等学校」が今年4月に開校した。立ち上げたのは、カドカワ。ニコニコ動画(ニコ動)を運営するドワンゴもその傘下にある。ニコ動のほか、出版などエンターテインメント分野を中核とした企業グループであり、教育事業には意外感が強い。カドカワの川上量生社長を直撃した。

かわかみ・のぶお●1997年ドワンゴ設立。2014年にKADOKAWA・DWANGO(現・カドカワ)会長に就任。15年から現職。

──N高校を始めたきっかけは。

もともとは外部の教育関係者などから僕らに持ち込まれた企画なんです。最初は「はっ?」って感じで……。「何で僕らが高校をやらなきゃいけないんだ」と思っていたけれど、強く説得されたんです。「通信制高校をドワンゴ、カドカワがやることにはすごく大きな意味がある」と。

通信制高校は、だいたい不登校などで一般の高校を中退した人が行っている。それも本人が行きたいのではなく、親や友達、先生が心配して、行かせているみたい。だから、基本的には嫌々行っている。通信制高校へ行っていること自体を隠そうとしています。通学はしないで家にいるので、インターネットに逃げている子どもが多い。大体ニコニコ動画を見ているし、カドカワのライトノベルを読んで、深夜アニメを見ている。

積極的な理由で入学した人は本当に少ない。そういう世界の中で、子どもたちが前向きに行きたくなるような学校を作りたかった。「ドワンゴだったら、作れる可能性があるんだ」と言われて「なら、作れるかも。うちがやる意味があるんじゃねぇ」と思ったんですよ。最初はまったく関係ない話だという気がしたけど、2、3回説明を受けたら、もう「やろう」と思っていた。

──振り返ってみると、何が決め手だったのでしょうか。

もうね、通信制高校って、すごく面白いと思った。僕はIT業界にいるので、その中で教育というものを考えたとき、これは明らかにコンピュータやネットを使った双方向のものへ移行するんです、どう考えても。

そのときにそれに最も適した形は通信制高校ではないでしょうか。しかし、最先端の理想的な教育の姿に最も近い高校が、実は最も行きたくない高校になっている。そのギャップにやりがいを感じました。最も見放されているところに実は未来やチャンスがある。

僕らが本気を出せば みんな行きたくなる

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