[ポイント1]
福島第一原発の廃炉や賠償の費用、全国約50基の原発廃炉費用を、今後誰が負担するか。経産省の有識者会議で議論が始まった

[ポイント2]
経産省は8兆円に膨れ上がった費用を、電力自由化後も総括原価方式が維持される配送電の費用に上乗せし、広く国民から回収する算段だ

[ポイント3]
だが、いったんこの上乗せ方式が導入されれば、廃炉や事故処理の費用は見えにくくなり、国民負担が際限なく増えていくおそれがある

 

水面下で、東京電力・福島第一原子力発電所の廃炉費用を、電気料金の一部として、国民に負担させる検討が始まっている。

具体的には、託送料金(送電線の利用料)に上乗せする形で、原発の廃炉コストを“回収”しようというものだ。

本誌が入手した「電力システム改革の貫徹」と題した経済産業省・資源エネルギー庁の内部資料によれば、福島第一原発の廃炉費用を「総額8兆円」と想定。そのうち4兆円について「託送回収」によって捻出するとの青写真が描かれている(トップ写真は、その内部資料の一部)。

この4兆円について、経産省の内部資料では東電の営業エリアである関東地区のユーザーに負担させるとしたうえで、電気料金への影響は「標準家庭で1カ月当たり120円」と試算。さらに原発事故被災者への賠償費用、ほかの電力会社のものを含む通常の原発の廃炉費用やその解体費の上振れ分を含む「8.3兆円」を、広く全国民から回収する算段をしている(図表1)。

[図表1]
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膨れ上がる廃炉費用 誰が負担すべきか

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