イラスト:サトウヨーコ

不安いっぱい備えも不十分

50代は仕事と運用の両立目指せ!

東京証券取引所の「場立ち」から歓声が上がった。株価ボードが表示した日経平均株価は3万8915円。日本の株式市場が歴史上の最高値まで買われた瞬間である。1989年12月の大納会のことだ。

ソニーによるコロンビア・ピクチャーズの買収と三菱地所によるロックフェラーセンターの買収もこの年だった。イメージだけでいえば、89年はまさしくバブル経済の頂点である。日経平均は翌年の秋には半値水準まで暴落することになる。

好景気がいつまでも続くと信じられていた89年という年に、社会に足を踏み出したのが66年生まれの人たちだ。27年後の2016年、彼らは50歳を迎えた。

バブルが直後に崩壊したため、実は前の世代ほどその恩恵を受けたわけではない。60歳という会社勤めのゴールまで10年を残す今、脳裏をかすめるのは、どうもバラ色には見えない未来の姿だろう。

アベノミクスを牽引してきた金融政策の限界、日本企業の競争力低下や破綻しそうな社会保障……。目の前で起きていることはこのままずっと付きまとう。となるとリアルに迫ってくるのは、一線を退いた後、手持ちのおカネで生活していけるのかどうか、という不安である。

サラリーマンが退職後の心配事としてトップに挙げるのは「生活費が足りなくなること」(図表1)で、手持ち資金も潤沢ではない(2)。50代でも老後の資金計画を策定した人は少ないし(3)、積極的に資産形成を行っているサラリーマンは少数派だ(5)。漠然とした不安は持っているが、何をしたらよいのか? 今年50歳を迎えた人たちが抱えるジレンマもまったく同じだろう。

老後のおカネは1億円でも不十分

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