「今の新卒は新聞どころかヤフーも見ない。メインはLINE」。ある地方紙のベテラン編集者は、新人記者たちの動向に目を丸くする。国内でトップを走るメッセンジャーアプリ「LINE」。同社が提供する「LINE NEWS(ラインニュース)」が、4600万人の月間読者を誇る巨大メディアに成長している。

ラインニュースを含めた「キュレーション」サービスが、情報を得る手段として急激に一般化した。基本的には自社でニュースを作らず、新聞社、通信社などメディアからデータ提供を受け、カテゴリー分けや注目度に応じた並べ替えを行って再配信する。収益は広告で稼ぎ、読者には無料で提供する。

最大の武器は記事を届ける「導線」

ラインニュースの場合、記事ページは専属編集部が要点をまとめた2〜3段落の本文と参照サイトのリンクで構成。扱うネタも政治・経済の重要ニュースに加え、外食チェーンの新メニューや芸能人がSNSに投稿したプライベート写真についてなどネット起点で盛り上がる話題を豊富にそろえ、形式・内容とも「活字離れ」がいわれる若者に寄り添う。

他を圧倒するもう一つの強みは、記事を読者に確実に届ける力だ。メッセンジャーアプリでニュースアカウントを「友だち」登録すると「ダイジェスト」と呼ばれる注目記事がトーク画面に定期的に届く。家族や友人との会話のついでにニュースも見る、という強力な導線を持つ。

提携メディアも増やしている。「全国紙はもちろん、料理レシピやヘアアレンジなど特化型が人気。今後もっと選択肢を増やす」(LINEの藤沼正明・メディア事業部副事業部長)。メディア数(現在121)は年内に150程度まで増やす予定。これらのメディアもラインニュースの公式アカウントを介さずに「ダイジェスト」を配信することで、読者増につながっている。

ネットニュース最後発のLINEが急拡大する中、最古参の王者・ヤフーも成長は止まらない。「Yahoo!ニュース(ヤフーニュース)」の月間閲覧数は8月に150億に達し、2年前の1.5倍に。月間利用者数は前年同月比1.8倍に拡大。「ニュース=ヤフーと連想する率の向上が重要」(ニュース・スポーツ事業本部の有吉健郎企画部部長)。その言葉どおり、8月はSMAP解散、台風上陸など大きな話題が出るたび閲覧数がハネ上がった。

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