日経のトップ記事は経済がらみの政策ものも多く、他紙とは異なる

日本経済新聞が日本のビジネスパーソンにとって、基本的な情報源であることに異論はないだろう。購読数316万(朝刊のABC公査部数に電子版有料会員数を足したもの)と経済メディアでは最大規模を誇り、新入社員から経営者まで職階を問わず読まれている。上司に「日経に出ていたアレ」と言われたら、「読んでいません」とは言いにくい空気があるほどだ。その1面トップなら日本経済で最優先に考えるべきテーマに違いない──はたして、本当にそうだろうか。

本誌記者は見た! “ご説明”文書

「その件については、参考資料を送ります」。大手総合商社の広報担当者がそう言ってメールで送ってきた資料に本誌記者は仰天した。

その商社は資源ビジネスに強く、このときも新興国での大規模投資を行うと発表した。概要は発表当日の日経1面トップで報道され、日経の抜きネタ(独自記事)となっていた。そのプロジェクトの詳細を確認しようと、本誌記者は広報担当者に問い合わせたのである。

PDF形式の資料は発表リリースとほぼ同じ体裁だったが、最上部に「日経○○記者様」という宛名と発表前日の日付があり、プロジェクトの背景や意義がリリースよりも詳細に説明されていた。説明の文言は、日経記事と酷似していた。どうやら、日経記者に投資計画をリークする際に使った資料らしい。

本誌記者が「間違えて送ってはいませんか」と尋ねたところ、商社広報担当者は慌てる様子もなく「大丈夫です。説明に使った資料ですが、内容は間違っていません」。組織的な情報リークについて、問題を感じている様子はなかった。その後も本誌記者が知るかぎり、この商社のニュースが日経1面を飾るときには、ほぼ同日に会社からリリースがあった。

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