政治的に不安定で政権交代が頻繁に行われ、そのため改革も遅れがちなイタリア。経済上の大きな問題は、銀行の不良債権問題に解決のメドが立たないことだ。

バブル崩壊が銀行の不良債権問題・金融システム不安に発展すると、その解決を迫られる政府の財政をも悪化させる。2010〜11年の欧州債務問題の原因がそれだった。

注目されたGIIPS諸国のうち、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルはECB(欧州中央銀行)のほか、EU(欧州連合)、IMF(国際通貨基金)が支援、スペインは自国で改革を進め、不良債権比率は低下してきている。

しかし、イタリアは12〜14年にマイナス成長を続け、問題解決が遅れている。貸出総額に占める不良債権の比率が約18%と高どまり(図表1)。これは驚くべき数字だ。日本のバブル崩壊後のピーク(02年)の数字は8%台だった。しかも、不良債権区分では最悪の破綻・破綻懸念に相当する比率が10%を超す(図表1)。

[図表1]
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欧州の金融システムに影響をもたらすような主要銀行は金融規制により、リスク管理や資本の強化を求められる。イタリアのモンテパスキ銀行は今年7月にECBから資本増強が必要と指摘され、その後のストレステストでも、危機的なシナリオの下では普通株中心のコア資本比率がマイナスに転落する、との結果が出た。目下、債務の株式化などの交渉に奔走している。

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