日本の電力自由化は、1995年にスタートした。だが、20年以上が経過した現在も、供給される電力の9割以上を旧来の大手電力会社が握っている。

今年9月、経済産業省は、「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」(以下、貫徹委)を設置した。電力システム改革は、電力自由化の別名。そこで議論される主なテーマは「ベースロード電源市場の創設」などだ(図表1)。

[図表1]
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経産省によれば、2000年以降小売りが自由化されてきた「特別高圧・高圧分野」(主に大企業や官公庁との取引)で、新電力のシェアは7.6%(15年度)にすぎない。今年4月には一般家庭向けの「低圧分野」も自由化されたが、新電力に切り替えた顧客は3%に満たない。

その主因として「ベースロード電源」を新電力が持っていないことが指摘されている。ベースロード電源とは、低コストで安定的に供給できる、石炭火力や大型水力、原子力といった電源のこと。そのほとんどすべてを大手電力会社が握っている。

それだけに今回、貫徹委のメインテーマにベースロード電源市場の創設が盛り込まれたことは画期的だ。貫徹委では委員から「ベースロード電源の一部を新電力が調達し、小売りの世界で切磋琢磨することが重要」などと賛同する意見がある。

一方で大手電力会社にベースロード電源の開放を義務づけた場合には、「(大手電力会社が持つ)私有財産の強制的な処分という話につながる」といった慎重論も出ている。大手電力会社からも「将来の電源投資の妨げにならないように慎重な議論を」との声が上がっている。

大手電力を優遇する? 容量メカニズムの導入

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