送配電や原子力での「共同事業体」設立を公約した廣瀬社長(撮影:尾形文繁)

東京電力ホールディングスは、燃料や火力発電に続き、送配電や原子力発電事業でも他社との事業統合に乗り出す。

送配電は営業エリアを超えた全国規模での運用や海外での事業展開を狙う。原子力は国内他社と共同事業体を設立する。

東電の廣瀬直己社長は2016年12月9日に経済産業省が開催した「東電改革・1F問題委員会」で、こうした内容を含む新たな経営改革案を説明。17年初めにも策定する「新々総合特別事業計画(新再建計画)」に盛り込む。

福島原発事故の賠償・廃炉費用が20兆円規模に膨れ上がる中で、経産省は電気料金値上げの形で国民に数兆円規模の負担を強いる方針だ。その一方で、すでに国有化した東電を業界再編の起爆剤にしようとしている。燃料や火力発電での中部電力との事業統合に続き、新たに送配電や原子力事業でも事業統合の相手を探させる。

経産省が東電に事業統合を急がせるのは、東電単独では事故処理に必要な財源の確保が困難であるためだ。自力での存続が困難になりつつある各社の原子力事業を再編・統合させる狙いもある。

だが東北電力などの同業他社には、福島事故の後始末に引きずり込まれることへの警戒心も強い。

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