マンション市場の不透明感が増してきている。最初に動揺が走ったのは2016年7月。野村不動産が17年3月期中に引き渡す予定のマンションの成約状況が、6月末で6割に満たなかったのだ。12年度以降、同時期の野村の契約率はつねに8割を超えていただけに衝撃は大きかった。

実際、不動産経済研究所によれば首都圏の新築マンション市場で契約率が好不調の目安となる7割を超えたのは16年1〜10月のうちたった3カ月。平均は67%と10年以降つねに平均で7割を超えてきた15年までとは様変わりだ。

平均単価も下がり始めている。15年11月にはバブル期以来の6000万円台を突破したが、そこが天井。マンション各社は「地合いは堅調。値引きしなくとも売れる」と強気姿勢を崩していない。各社が供給を絞っていることもあり、06年のミニバブル後のような投げ売りは発生していない。

ただ、単価が下がりきらないため、15年に新築マンションの契約戸数と中古の成約戸数とが逆転。16年に入っても、その差は広がっている。同じ現象はリーマンショック後にも発生し、その後09年に新築単価は大幅に下落した。

野村の契約率低下は、市場変調の先触れの可能性が高い。

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