半導体製造装置世界4位の東京エレクトロンにとって、2017年は僥倖(ぎょうこう)に巡り合う年になるだろう。

追い風となっているのは、顧客の半導体企業による旺盛な需要だ。パソコンやデータセンター向けに普及し始めた新型の記憶装置SSD(ソリッドステートドライブ)に用いられる次世代メモリ半導体「3次元NAND」は、半導体各社による量産が今後本格化していく。この分野は韓国サムスン電子が先行していたが、東芝も16〜18年度の3年間で3次元NANDを中心とした次世代半導体に合計8600億円を投資することを決めた。

一方、東京エレクトロンにとって最大顧客の1社である台湾の半導体受託製造企業TSMCも、iPhoneなどに搭載される最先端半導体への投資に意欲を見せている。「中国では20年に向けてかなり多くの半導体工場の建設が予想される。ほかにもよい材料はたくさんある」と河合利樹社長は期待を寄せる。

だが、目の前のバブルに浮かれてもいられない。15年には業界首位の米アプライドマテリアルズとの大型統合が、独占禁止法に抵触するとされ頓挫した。次世代半導体への移行が進むほど高騰する開発費を効率化することなどが目的だったが、米司法省との折り合いがつかなかった。追い風が吹いている今のうちに、アプライドとの統合に匹敵するような攻めの一手をどれだけ打つことができるのか。東京エレクトロンの今後を占う一年となる。

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