日産自動車に仏ルノーから派遣され、経営再建を果たしたカルロス・ゴーン氏。今度は資本業務提携先の三菱自動車の立て直しに取り組む。世界販売1000万台規模の日仏自動車連合を束ねるトップの次の一手は。

日産自動車社長 カルロス・ゴーン
Carlos Ghosn / 1954年ブラジル生まれ。仏ミシュランを経て仏ルノーへ。99年日産にCOOとして派遣され経営再建に取り組む。2001年に同社社長兼CEO。05年からルノー社長兼CEO、09年からは同社会長も務める。16年12月から三菱自動車の会長も兼務。

──2017年の世界経済の見通しは? 自動車産業にはどんな好機やリスクがあると考えていますか。

好機もリスクも両方あるが、全体的に見ると17年は穏やかな成長の年になる。自動車産業では平均で2%ほどの成長となり、過去最高の新車販売台数になる。成長の大きな牽引力は明らかに中国だ。インドや欧州も成長する。過去数年間悪かったブラジル、ロシア、そして日本は底を打つのではないか。回復はしないが、低水準で安定化する。

米国は前年並みの高水準で、日産にとって安定的な状況となる。トランプ次期大統領が出す経済政策はまだわからないが、インフラ整備に対する(公共)投資や減税はプラスになるかもしれない。リスクとしては原材料価格に対しプレッシャーがかかり、引き続き上昇するかもしれない。

──トランプ氏はNAFTA(北米自由貿易協定)見直しを掲げています。メキシコで生産する日産車の半分は北米への輸出向けですが、懸念はありますか。

現時点では懸念はしていない。トランプ氏はNAFTAの見直しに言及しつつも、「米国の利益を第一に保護する」と話している。メキシコで展開するメーカーでいちばん稼いでいるのは米ビッグスリーだ。相当の投資もしており、いちばん利害関係がある。米国とメキシコの関係を見直したとしても、それほど変更をする余地はない。米国の利益を守るために、極端な方向には行かないのではないか。

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