[ポイント1]
日本の住宅は今や7戸に1戸が空き家。全国に820万戸あるとされている(2013年、総務省)。33年には3戸に1戸が空き家になるとの推計もある

[ポイント2]
こうした空き家は郊外に限らず東京都心でも増えている。買い手も借り手もつかず、固定資産税や修繕費ばかりがかさむ持ち家は不動産ならぬ「負動産」だ

[ポイント3]
マンションでは経年とともに修繕積立金が上がることが多く、住民の高齢化や相続を機に滞納問題が深刻化するおそれがある。いつか必要な解体費も重荷だ

 

「夢のマイホームを手に入れた!」──。

戸建て住宅やマンションを購入したとき、多くの人は喜びをかみしめ、明るい未来を描く。

だが時を経て状況が変わってくると、その持ち家が一転して“悩みの種”になる可能性がある。

東京駅まで電車で50分、埼玉県東部のベッドタウンで生活する50代男性が本音を漏らす。「人口減少は地方都市の問題だと思っていた。自分がいま住んでいる東京近郊には関係ないはずだと。しかし、それは間違っていた。最近、家の周りに空き家が増えていて、とても不安だ」。

今まであまり気にしなかったが、空き家が増えているという報道を見てから、近所に注意を向けてみると、至る所に空き屋を発見して驚いたという。

その一方で、近所に引っ越してくる住民もいた。ただその人たちは、以前周囲に住んでいた、都内に通勤するサラリーマン層とは違っている。引っ越してきてもあいさつはなく、近隣住民に配慮する習慣を身に付けていないようなのだ。

空き家の増加には放火など治安悪化の懸念が付きまとう。いま自分が住んでいる家の周辺環境が、今後どう変わっていくのか。「心配で仕方がない」と語るこの男性は、引っ越しを真剣に考えているという。

東京郊外の住宅街がジャングル化

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