[ポイント1]
2020年度は教育界の「関ヶ原」になる。「学力」と「考える力」の2つの価値観のうち、どちらをより重視するかで教育界は激しくせめぎ合ってきた

[ポイント2]
詰めこみ教育から「ゆとり教育」へ、学力低下論争をへて「脱ゆとり」へ。その果てに20年度に起こるのは、考える力への回帰という大どんでん返しだ

[ポイント3]
冷ややかな見方もあるが、過去との違いは大学入試にメスが入ること。センター試験廃止などの大学入試改革と小・中・高校の学習指導要領改訂が動き出す

 

「よし、できた! 動かしてみよう」。東京・渋谷にある子ども向けの教室「LITALICO(リタリコ)ワンダー」は、少年たちの静かな熱気に満ちていた。この教室では、ロボットをめいめいが組み立て、それを動かすプログラムも自ら作る。いうなれば、IoT(モノのインターネット)時代の工作教室だ(上写真)。

リタリコのようにプログラミング言語や基礎的な工学などを学べる理系教室が今、親たちから熱い視線を集めている。「次に何かやるなら絶対にプログラミング」。そう話すのは、東京都内に住む母親。5年生の長男は水泳と野球、英会話、学習塾に通っており、時間の捻出は難しい。それでもプログラミングが気になるのは「将来、役に立ちそうだから」。

プログラミング熱の背景は、一つはこの母親のような「将来役立つ」という長期的な期待。もう一つは、2020年度から小学校の授業でプログラミング学習が必修化されることだ。そしてプログラミングだけでなく、20年度は教育をめぐる大きな転換点になりそうだ。

学力 vs.考える力 教育論争が決着?

「20年度は教育界の関ヶ原になる」。学習塾業界の関係者はそう断言する。徳川家康の東軍が西軍を制し、近世日本の幕開けとなった関ヶ原の戦い。同様に教育界でも、長年続いた二つの価値観の対立が、ついに決着しそうなのだという。

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