「正しい政策」がないならどうすべきか: 政策のための哲学
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Jonathan Wolff●英オックスフォード大学ブラバトニック公共政策大学院教授。1959年生まれ。英ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(上級)Reader、Head of Departmentなどを経る。著書に『ノージック──所有・正義・最小国家』『政治哲学入門』など。

まず必要なのは価値のバランスの回復

評者 BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎

ギャンブルや麻薬は道徳的に悪いと考える人が多い。しかし、なぜパチンコや宝くじが容認され、ギャンブルは禁止されるのか。麻薬よりアルコール依存のほうが深刻だが、なぜ麻薬だけが禁止されるのか。解禁国もあり、説得的に回答するのは難しい。

評者は、哲学者というのは人と意見が異なろうと、自らが真理と信ずるものを追求し、実践する人のことだと思っていた。英国では公共政策を検討する際に哲学者も動員される。様々な意見があふれ、哲学的、道徳的、宗教的な価値の根本的一致が難しい今日、意見の一致が益々遠のくと思いきや、コンセンサスを見出すのに哲学者が一役買っているという。込み入った問題を解きほぐし、論点の核心を浮かび上がらせるのが役割だ。

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