金融機関は顧客本位に変われるか

顧客が損をすることによって金融機関が利益を得る。そんなことが今後起きないように、監督官庁である金融庁がついに本気で動きだした。

[図表1]

都内に住む60代の男性。有名企業を退職し、老後の資産形成に頭を悩ませている。出した結論は証券会社のファンドラップを利用するというものだった。

ファンドラップとは、金融機関所属の運用のプロが、顧客のリスク許容度などを聞いたうえで、顧客に代わってファンド(投資信託)を組み合わせて運用するサービスだ。

「自分に相場観がないことは、これまでの株式投資の失敗で身にしみてわかっている。プロが運用してくれるというファンドラップには期待している」 

この男性のように考えている人は多いようで、ラップ口座の残高は近年急拡大している。しかし、このファンドラップについて、金融機関を検査・監督する金融庁が課題を指摘している。

「手数料は、提供されるサービスや運用成果の対価として適正であるか」(「平成27事務年度 金融レポート」)。図表2はその指摘とともに示されたデータだ。ファンドラップは一般の投資信託よりも長期投資になるほど保有コストが高い。さらにファンドラップで運用されている投資信託は、販売会社の系列投資運用業者が設定しているものが平均で5割を占めていることを明かし、「選定プロセスの透明化に向けた取り組みはいまだ途上にある」とくぎを刺した。

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