【今週の眼】三品和広 神戸大学大学院教授
みしな・かずひろ●1959年生まれ、愛知県出身。一橋大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科修士課程修了。米ハーバード大学文理大学院博士課程修了。同大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学助教授などを経て現職。著書は『戦略不全の論理』など多数。(撮影:梅谷秀司)

東芝が大変な局面を迎えている。2006年秋に買収した米ウエスチングハウス(WH)が、貧乏神と化してしまったからである。これは人災なのであろうか。それとも天災なのであろうか。

東芝は米ゼネラル・エレクトリック(GE)の技術を導入して、国内で原子力発電所の建設を請け負ってきた。ところが1999年に東海村で臨界事故が起きて、日本の建設計画は凍結されていく。ここで東芝は、国内に居残って技術の途絶を甘受するか、それとも海外に打って出て事業の飛躍を目指すか、決断を迫られた。

折しも01年に入ると米国で原子力発電所の建設機運が見えてくる。打って出るなら、東芝は現地でGEかWHのいずれかと組むしかない。WHは三菱重工業に技術を供与し、蜜月関係を保っていた企業なので、組むならGEであった。

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