Robert Gallucci●1946年生まれ。米クリントン政権において、北朝鮮の核開発問題解決のための米国側の交渉団代表を務めた。(撮影:今井康一)

──米クリントン政権で外交官として北朝鮮の核問題解決に取り組み、国際安全保障の専門家として高名なロバート・ガルーチさんは、民生用で原子力発電のための六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)の稼働計画に懸念を表明しています。それはいかなる理由によるのでしょうか。

私は原発に反対の立場ではない。このことと、使用済み核燃料を再処理しプルトニウムを分離するのに反対の考えであることとはまったく矛盾しない。安全にできる再処理の方法はなく、やり方によっては核兵器に使える材料を生み出せる。だからこそ、再処理に反対している。

──「平和利用」を目的とする日本の再処理政策を、なぜ問題視しているのですか。

六ヶ所再処理工場でのプルトニウムの分離は国際的にも大きな問題であり、世界の目が日本に向いている。日本政府や電力業界関係者は、このことにもっと注意を払うべきだ。

再処理はコストが高く、経済合理性はまったくない。また、放射性廃棄物の処理をよりスムーズに行うという点でも意味がない。このことは2012年に公表された放射性廃棄物処理に関する米国のブルーリボン委員会報告書にも明記されている。

他方、再処理は安全保障上、極めて重大なリスクを伴う。というのは、核兵器の原料となるプルトニウムが分離されるからだ。日本は英仏に管理してもらっている分を含めて、国内外に合計48トンものプルトニウムを保有している。一方、長崎級の原子爆弾は、コーヒーカップ1杯、重さにして6キログラムのプルトニウムから作ることができる。このことの意味をよく考えてほしい。

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