去る3月10日、ついに韓国の憲法裁判所が大統領弾劾を是とする判断を下した。これで朴槿恵(パククネ)大統領は罷免となり、以後60日以内に新大統領選挙がおこなわれるが、現段階では5月9日になりそうだ。その間の政治的な空白と政権の交代は必至の勢いであり、混迷がいよいよ深まることは疑いない。10日当日にも、弾劾に賛成・反対の両派が憲法裁判所の周辺で大規模な集会を催し、実際に死者まで出ている。

昨年11月、筆者がソウルに滞在していたころ、デモ・集会といえば、「朴槿恵退陣」の叫び一色だった。まだ弾劾の前だったからである。しかし弾劾が可決、朴大統領の職務停止を受け、政権の交代も視野に入ってくると様相は一変した。鳴りを潜めていた保守派が、左派政権の誕生に危機感をいだいて、巻き返しをはじめたからである。左右の対立が俄然、激しくなった。

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