総合化学大手、東ソーの業績が絶好調だ。2016年度の営業利益は1000億円を超え、最高純益を大幅に更新したもよう。牽引役は塩ビ樹脂を核とするクロル・アルカリ部門。水道管や建築資材に使われる塩ビの採算が急改善し、推計で400億円規模の部門利益をたたき出した。儲からない汎用品の典型だった塩ビ事業がなぜ息を吹き返したのか。山本寿宣社長に聞いた。

やまもと・としのり●1955年生まれ。79年入社。化学品事業部長、クロル・アルカリセクター長等を経て、2016年3月から現職。(撮影:梅谷秀司)

──東ソーは台湾プラスチック、韓国LG化学に続くアジアの塩ビ大手。ここにきて収益改善が著しい。

この10年間、塩ビ事業の収益環境は非常に厳しかった。国内需要が低迷する一方、アジアでは中国企業が急激な能力拡大に走った影響を被った。しかし、昨年途中からアジア市況が好転し、インドへの輸出や東南アジアの現地生産の採算が大幅に改善している。東南アジア、インドの需要拡大に加え、中国勢の安値輸出攻勢が以前より弱まったためだ。

──なぜ、中国企業に変調が?

一つは環境規制だ。日本や台湾、韓国の塩ビメーカーは(石油由来の)エチレンを主原料とするが、中国では自国の石炭を使ったカーバイド法が主流。この製法は触媒に水銀を使ううえ、大気汚染ガスが発生するため、中国政府は環境基準を満たせない企業への操業規制を強めている。また、原料となる石炭の価格が昨年秋口から高騰し、カーバイド法のコスト優位性も薄れている。

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