『住友銀行秘史』『バブル 日本迷走の原点』『野村證券第2事業法人部』……。今、都心の書店を訪れて目にするのは「バブル本」コーナーの充実ぶりである。1980年代後半から数年間、この国をのみ込んだ熱狂が30年ぶりに人々を引き付けているのだ。その時代を生きた中高年ビジネスマンだけでなく、20〜30歳代の若い層も興味深そうに手に取っている。

30年ぶりに「バブル」が注目される理由はどこにあるのだろうか。

相次いで発売される書籍に関していえば、80年代に部課長クラスとしてビジネスの最前線に立っていた人たちが、今度は歴史の証人としてバブルを振り返る時期に来たことが大きい。

マハラジャ、ジュリアナ東京、ワンレン、ボディコン。この30年間、華やかなトレンド物語としてバブルが語られることは多かったが、カネをめぐる狂乱ぶりが生々しく描かれることは少なかった。

にわかにバブル期が注目される理由

『バブル 日本迷走の原点』。この本ではマハラジャもジュリアナも描かれない。その代わりに登場するのはイ・アイ・イ、光進、秀和という会社であり、取りつかれたようにカネを追い求めた「バブル紳士」たちの名前である。

著者の永野健二氏は80年代、新聞社の証券部記者として、バブルに遭遇した。「歴史的な役割として、ほかの人には書けないバブル論が書けると思った。世代的には、リアリティを持って書ける人はもう自分しかいない、とね」。

主要な指標を見るかぎり、今の経済状況はバブルではないだろう。それなのにあらためてバブルや80年代が注目されるのは、経済の先行きにみなが不安を感じているからではないだろうか。折しも米国では80年代の感覚を今も引きずるトランプ氏が大統領に就任した。

バブルど真ん中の80年代後半に社会人になった人たちはちょうど50歳代に入ってきており、今度はその子どもたちの世代が社会人となる年齢に差しかかっている。バブルの教訓を現代や未来の社会にどう生かせばよいのか、子ども世代に伝えるには今この瞬間が最もふさわしいように思える。

ポピュリズム(大衆迎合主義)が蔓延する世界情勢、働き方改革、AI(人工知能)との共存。親も子も頭に入れておくべきニュースは山積みである。親子で学べば理解度も2倍になるはずだ。1テーマ5分。さあ、次のページから始めてみよう。

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財閥

近代日本の立役者、ブランド力は健在

財閥という形態は正確には現存しないが、戦後の財閥解体後も互いに取引面などで助け合う。株式保ち合い解消が進んだとはいえ、存在感は依然として強い。戦前に「4大財閥」と称されたのが三井、三菱、住友、安田だ。最大だった三井は自主独立の気風が強く、戦後は三菱の後塵を拝する。住友は最古で関西が地盤。安田は芙蓉グループに名を変えたが、系列を超えたメガバンク誕生で揺れた。