隣人の不幸は蜜の味、隣国が弱れば好都合。これは悲しいかな、人間社会・国際関係の道理なので、そう感じることに何ら不思議はない。

しかし日本で異様なのは、そんな言論がたちまち、それ一色に染まったかのような空気になることである。中国で昨年、経済の減速が明らかになるや、「崩壊」という文字が巷に満ち溢れた。「中国はいつ崩壊するのか」。新聞・雑誌の記事はもちろん、書物の帯、果ては通勤電車の吊り広告でも、大々的に躍っていたフレーズである。「中国の崩壊」には、それだけの需要があったと考えるほかない。

戦前戦後も同じ風景

そんな光景に昔を重ね合わせてしまうのは、歴史屋の習癖なのだろうか。日本人が日中戦争前、中国人を見ると「チャンコロ」「チャンチャン坊主」といって侮蔑的なまなざしを向け、戦時中には「暴支膺懲(ぼうしようちょう)」ととなえていたのと、一脈通じる風景である。

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