私は、海上自衛隊に入隊して以来ずっと艦艇勤務だったが、28歳のとき、防衛大学校の指導教官として初めて陸上勤務に就いた。階級は2等海尉(中尉)で、小隊指導教官という担任の先生のような立場だった。 

ある日、実家でテレビを見ていると、防衛大学校の卒業式の様子が流れた。「解散!」の号令とともに、卒業生たちが一斉に帽子を投げて、走り去る。それを見た祖母は、静かに私の母に聞いた。

「これは日本でやっていること?」

「そうよ、ヤス(筆者)はこの学校の先生してんのよ」

祖母は私のほうを向き、刺すような目つきで静かに言った。

「今の日本海軍は、官品愛護の精神を教えないのですか」

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP