1987年3月31日をもって日本国有鉄道(国鉄)は解体され、翌4月1日に旅客6社と貨物会社、国鉄清算事業団(98年解散)が設立された。前年12月に設立済みの鉄道総合技術研究所、鉄道情報システム、鉄道通信(現ソフトバンクテレコム)と合わせ、新生「JR」グループがスタートを切った。

それから30年。東日本旅客鉄道(JR東日本)、西日本旅客鉄道(JR西日本)、東海旅客鉄道(JR東海)という「本州三社」に加え、「多くの人が、当社が上場するとは思っていなかった」(青柳俊彦社長)という九州旅客鉄道(JR九州)まで昨年10月に株式上場を果たした。この4社に関するかぎり、「分割民営」という国鉄改革の理念は正しかったといってよい。

日本の鉄道「40年説」、10年後のJR各社は?

一方で、北海道旅客鉄道(JR北海道)は、2011年以降、相次いだ安全トラブルを契機に経営危機が表面化。全路線の約半分に及ぶ線区を「単独では維持困難」として、自治体との協議を求めている。人口減という点で北海道と似た境遇のJR四国にとっても他人事ではない。残る日本貨物鉄道(JR貨物)は赤字基調が続くものの、環境負荷低減ニーズの高まりや、トラック運転手不足といった追い風が吹く。好機に乗じてどこまで業績を伸ばせるか。これからが正念場だ。

ある国土交通省OBは、「鉄道40年説」を唱える。私鉄を国有化することを定めた1906年の鉄道国有法公布から49年の国鉄発足まで43年。そして国鉄は機能不全に陥り38年で寿命を終えた。この説に従えば、JRグループの様相は10年後に大きく変貌していることになる。待ち受けるのはJR北海道で起きているような個社単位での業容変化か、それとも、勝ち組と目される会社を巻き込むような地殻変動なのか。

今年の本誌・鉄道特集は「JRの30年」をテーマに主要9社のトップにインタビューを行った。質問項目は各社共通。(1)会社発足後、最も重要な出来事は何か、(2)会社発足後、最大の危機は何か、(3)国鉄時代から何が変わったか、(4)トップ自身の最も印象深い仕事は何か、(5)今後10~30年の課題は何か──という5問を軸にしたが、各社の回答はまったく異なるものとなった。30年で各社を取り巻く環境が、それほど大きく変わったというわけだ。これも地域分割の表れといえるだろう。

各社トップがこれまで何を考え、今後どのような方向に進もうとしているのか。答えはページ先にある。

 

JR各社のロゴとコーポレートカラーの由来

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP