王者が描く近未来(1)

トヨタ自動車 自動運転技術の深謀遠慮

自動車業界でいま最も旬な話題といえば、自動運転技術だろう。自分の意志で自由に移動できることが自動車の魅力のひとつということもあり、10年前にはあまり話題に上らなかった技術だが、2010年にIT企業の米グーグルが「自動運転車の研究を行っている」と表明したことで、流れが一気に変わった。

その後、一部の自動車メーカーは自動運転に積極的な姿勢を見せたが、一方で静観を保つ会社もあった。世界自動車販売首位のトヨタ自動車である。その王者トヨタが15年10月、突如態度を一変させる。東京の首都高速道路で自動運転技術を報道陣に公開したのだ。もちろん、披露された技術は他社に遜色ないレベルであり、以前から水面下で開発を続けていたことを示唆した。

15年10月に、東京の首都高速道路で自動運転技術を報道陣に公開

トヨタは同年春、24年まで10年間のオリンピック・パラリンピックにおけるグローバルスポンサー契約を結んでいる。20年の東京も含まれる。同年10月には、安倍晋三首相が東京オリンピック・パラリンピックまでに自動運転の実用化を実現したい、と表明した。こういった社内外の動きが、トヨタの自動運転技術の公表につながったのではないか、とみられる。

頭脳はグーグル、車体がFCAの衝撃

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