2011年5月、当時の民主党・菅直人首相の要請により、稼働中の浜岡4号・5号機は超法規的に停止させられた(撮影:大澤 誠)

電力9社が組織する電気事業連合会の会長に6月、中部電力の勝野哲社長が就任した。電力業界の利害調整や行政との政策交渉を担う電事連会長が中電から出るのは、実に15年ぶり4人目。中電の東京支社は、林欣吾執行役員支社長を中心に勝野電事連のサポート体制の整備に追われる毎日だ。しかし、ほかの8社の間には不安の声がくすぶる。

「この時期に、勝野さんが会長で大丈夫か」 というのも、電事連は2011年3月11日の東京電力・福島第一原子力発電所事故を契機に大きく変わったからだ。東電、関西電力、中電の大手3社による会長輪番制から東電が脱落する一方、全国の原発が軒並み停止を余儀なくされた。電事連前会長の八木誠関電社長(現会長)は早期再稼働に尽力してきたが、それを十分果たせないままバトンは勝野氏へ引き継がれたのである。

東南海トラフ地震の想定震源域に立地する中電の浜岡原発は、再稼働へのハードルが高い原発の一つ。全3基の廃炉も取りざたされる中、勝野電事連は原発再稼働をめぐる国や自治体との交渉に本気で取り組むのか、という不安がある。中電に対する疑念はこれだけではない。中京圏の製造業大手の幹部はささやいた。

「中電はいずれ、名古屋企業ではなくなるのではないか」

“浜岡ショック”の教訓と東電との千載一遇の提携

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