東芝の上場廃止問題で重要な決断を迫られる東京証券取引所(撮影:尾形文繁)

PwCあらた監査法人(以下、PwC)が「意見不表明」であるにもかかわらず、東芝は上場廃止をひとまず免れた。「監査意見がどうあれ、『第3四半期報告書』に監査法人の『四半期レビュー報告書』をつけて関東財務局に提出すれば、上場廃止基準に抵触しない」(東京証券取引所関係者)からだ。

だが、これで危機が完全に去ったわけではない。上場廃止の波が次から次へと東芝に押し寄せる。

目先の危機は本決算を乗り切れるかどうかだ。5月に2017年3月期本決算の発表、6月末に有価証券報告書(有報)の提出期限を控える。だがPwCと東芝の決裂は決定的だ。有報提出前にPwCが監査を辞退する可能性は十分ある。

東芝の佐藤良二監査委員会委員長は4月11日の会見で問われると、「いろいろな選択肢を検討していく」と答えた。PwCの辞任は想定内であることを印象づけた。ただ監査人がいなければ監査報告書は作成できず、有報に監査報告書を添付して提出できなければ上場廃止基準に抵触する。

PwCが辞任した場合は新たな監査法人を早急に探す必要があるが、東芝ほどの大規模な企業の監査ができる大手は日本に四つしかない。そのうち新日本監査法人は不正会計で昨年退任したばかり。トーマツ監査法人は佐藤委員長の出身母体で具合が悪い。残るあずさ監査法人も、他の大手が意見不表明とした監査を喜んで引き受けるとは考えにくい。

意見不表明は「減点」、債務超過で上場廃止も

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