ここ数年、キヤノンの長期格付けは「AA」(米S&P)を維持してきた。日本の事業会社でAAはキヤノンのみで、なみいる日本企業の中で最も財務健全性の高い企業だった。2010年以降、累計1兆円超に上る買収を実現できたのも、長年をかけて築き上げてきた、“最強の財務力”があったからこそだ。

一連の大型買収が始まる直前の09年12月末の貸借対照表を見ると、いかに財務が健全だったかがわかる(図表1-左)。資産のうち半分以上が流動資産で、現金同等物は7950億円。自己資本比率は7割を超える。長期債務はわずか49億円で、ほぼ無借金経営だ。

[図表1]
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しかし、16年12月末の貸借対照表を見ると、財務の内容が大きく変化したことがわかる(図表1-右)。

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