幅広い教養をベースに作家活動を続ける佐藤優氏は、母校の同志社大学神学部で客員教授を務めるなど大学教育への関心も高い。「知の巨人」に大学の現状や課題をどう見ているのか聞いた。

作家・佐藤 優
さとう・まさる●元外務省主任分析官。1960年生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。2006年『自壊する帝国』(新潮社)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。国際情勢分析や歴史、宗教、教養など幅広い分野で著書多数。(撮影:今井康一)

──日本の大学では大教室での講義が減り、教え方に工夫を凝らし始めています。学生への指導が手厚くなったといわれていますが、今の大学教育をどのように見ていますか。

教え方の前に大学の教員にとって大事なことは、高校の教科書を読んでいるかどうかだろう。自分が教えている分野や関連する分野で、学生が高校時代にどんな教育を受けてきたのかを知ることは非常に重要だ。そもそも高校教育との連続性を意識しておかないと、きちんとした講義はできないと思う。

高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)の問題にも目を通してほしい。以前の大検(大学入学資格検定)とはまったく違う試験になっている。運転免許試験に例えれば大検は普通自動車で高卒認定試験は原付。これは文部科学省が求めている高卒者の学力基準が著しく下がったことを意味している。

──大学入学時の学力が落ちているということですね。

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP