週刊東洋経済 2017年5/20号 [雑誌](バブル全史 最後の証言)
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今から30年前、日本経済は奇妙な興奮の中にあった。

バブル──。1980年代後半の地価高騰と株価の異常な上昇。そして、カネ余りを背景にした泡沫消費。リゾートマンション、高級車、ブランド品の数々。企業も「財テク」として株式・不動産投機に走った。

バブルはなぜ生じたのか。起点は85年のプラザ合意(ドル高是正の国際協調)だ。1ドル=240円が1年で150円となり、円高不況を招く。日本銀行は5.0%だった公定歩合を過去最低の2.5%に引き下げる。これが土地への投機を生み、地価高騰を招いた。

湾岸に土地を持つ企業がウォーターフロント銘柄ともてはやされ、85年初に1万1992円だった日経平均株価は89年末に3万8915円の史上最高値をつける。銀行も高騰する土地を担保に融資を拡大した。

その陰で経済事件も多発する。関連会社の未公開株を贈収賄に使ったリクルート事件では江副浩正会長や真藤恒NTT(日本電信電話)会長が有罪となった。中堅商社イトマン(伊藤萬)に住友銀行から多額の融資がなされ、戦後最大の不正経理(特別背任)事件となったイトマン事件でも、住銀出身の河村良彦前社長ら6人に有罪判決が下った。

バブル崩壊後は財テクが逆回転。伊藤忠商事阪和興業など各社が損失処理に苦しんだ。銀行融資も不良債権の山と化した。

鬼籍に入る当事者たち、次世代への「遺言」

「長銀(日本長期信用銀行)を潰した男」の異名を持つイ・アイ・イ・インターナショナルの高橋治則社長、スーパーの忠実屋、いなげや株を買い占め流通再編をブチ上げた秀和の小林茂社長、米ティファニー本社ビルを買収したこともある第一不動産の佐藤行雄社長。一世を風靡した「バブル紳士」たちの多くが、もうこの世にいない。

バブル期の経済事件で彼らの弁護をした河合弘之弁護士は「拝金主義者が多かった。あの世までカネを持っていけると思ったんじゃないか。大金を動かす快感はあっても、長期的展望は持っていなかった」と語る。

『住友銀行秘史』『野村證券第2事業法人部』などの“バブル本”が売れている。こうした本の読者層は広く、30~49歳が意外にも半数を占め、19~29歳も1割程度いる。50歳以上は3割強程度。バブル未経験世代の関心が高まっているのだ。日本を失われた20年へ追い込んだあの時代とは何だったのか。当時を知るキーパーソンの貴重な証言を中心に読み解く(肩書は当時)。

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