健康寿命も延びる中、65歳から年金暮らしという時代はなくなる(写真はイメージ)(撮影:今井康一)

『ライフ・シフト』では、2007年に生まれた日本人の子供の半数は107歳以上まで生きるとされているが、日本に人生100年時代は本当に来るのだろうか。

国立社会保障・人口問題研究所が16年に発表した最新の「日本の将来推計人口」では、男性の平均寿命は15年の80.75歳から65年には84.95歳に、女性は86.98歳から91.35歳になるとされている。『ライフ・シフト』の予想よりずっと控えめだ。

下図のように、明治以降日本の平均寿命は大きく延びてきたが、当初は主に乳幼児の死亡率が大きく低下したためだった。1970年ごろになると乳幼児死亡率は非常に低くなって改善の余地が小さくなり、その後は高齢者の死亡率が改善したことを主因として平均寿命の延びが続いてきたが、そのスピードは遅くなっている。

ただし同研究所が97年に行った将来人口の推計では、平均寿命は2050年に男79.43歳、女86.47歳になると仮定されていたが、現実には15年に平均寿命が男80.75歳、女86.99歳となり、予想よりもずっと速く寿命が延びた。この原因は、高齢者の死亡率の改善が予想を上回り、平均寿命の延びは予想したほどには減速しなかったことだ。

20世紀に電子技術が急速に進歩して最近では囲碁でもコンピュータがプロ棋士を凌駕してきたように、今後老化の仕組みの解明が急速に進んで過去のトレンドを大きく超える速度で平均寿命が延びるかもしれない。バイオテクノロジーの進歩により平均寿命が100歳を超えるという可能性は、十分にあると考えておくべきだ。

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