週刊東洋経済 2017年7/29号
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中学3年生以下の子を持つ親は必見!

絶対に知っておくべき大学入学新テストの中身

30年ぶりの大改革だ。文部科学省は7月13日、大学入試センター試験に代わり2021年1月から始まる「大学入学共通テスト」の実施方針を公表した。

センター試験からの変更点は大きく二つある。一つは国語と数学で記述式問題が入ること。もう一つは英語で民間の検定試験が導入されることだ(図表2)。

[図表1]
[図表2]
(出所)文部科学省の資料を基に本誌作成

国語と数学は次記事『大学入学新テストではこんな問題が出る!』を参照してほしいが、自分が持つ知識を活用して考えをまとめ、書き出す能力を測る傾向が色濃くなる。

英語では「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能の習得を重視し、民間の検定試験の導入に踏み切った。24年までは大学入試センターが作成するマークシート式試験も併存し、25年以降は民間の検定試験に一本化される。

新テスト導入は1990年に共通一次試験からセンター試験へ移行して以来の大きな変更だ。文科省の狙いは急速な社会構造の変化に対応できるように、学力の3要素である「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を身に付けさせること。大学入試を変えることで、知識偏重の学校教育を変えようともくろむ。

改革は21年以降も続く。25年の新テストでは高校の次期学習指導要領に対応し、世界史と日本史を統合した「歴史総合」など新たな科目の登場が予想される(図表3)。そして前述のように英語が民間の検定試験に一本化される。

[図表3]
(注)次期指導要領の太字は共通必履修科目、それ以外は選択科目 (出所)文部科学省の資料を基に本誌作成

民間の英語試験は全部認定される?

ただし新テストについて「まだ見えない部分が多い」と学習塾大手、SAPIX YOZEMI GROUPの髙宮敏郎共同代表は指摘する。

最たるものが英語だ。検定試験の候補として英検、TOEFL iBT、IELTSなどが挙がっているが、大学入試センターが認定するのはこれから。マークシート式試験も併存するため、どう対策をするのがいいか悩ましい。冒頭の実施方針では大学側に対し、「受検者の負担に配慮してできるだけ多くの種類の認定試験の活用を求める」としていることから、「全部認定されるのではないか」(学習塾関係者)という声もある。

新テスト全体についても試験時間や実施方法などの詳細は検討中だ。今後行われるプレテストを経て、19年度の初頭をメドに実施大綱がまとめられる。

新テスト導入の衝撃は非常に大きい。国公立大学志望者はもとより、私立大学志望者も無視できない(詳細は『早稲田・慶応・明治 私大入試は変わるのか』)。私大の約9割がセンター試験を利用した入試を実施しているからだ。

21年からの新テストは、現在の中学3年生が初めて受験する。内容が変わる25年のテストを受けるのは小学5年生だ。大学進学を考えているなら、今から準備が必要だ。特に学校選びは重要になる。

現行のセンター試験は2020年で廃止され、新テストへ移行。国語、数学、英語の出題傾向が大きく変わる(撮影:梅谷秀司)

学力の3要素を身に付けるには、調べ学習や論文作成、ディスカッション、プレゼンテーションといった、子どもが主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」が必要といわれる。それを授業で実践している学校なら、新テストの問題がどんなものであっても対応できる力が自然と養われる。

アクティブ・ラーニングのメリットは、新テストへの対応だけではない。論文作成などの取り組みは推薦入試やAO入試でのアピールポイントになりやすい。国立大学協会は21年度までに推薦やAO、国際バカロレア(『国際バカロレアの実情』)入試などの入学定員を、全体の30%(16年度約16%)に増やす方針だ。私大はすでにAOや推薦の入学者が全体の約50%を占める。

そこで本誌はアクティブ・ラーニングに強い学校のほか、面倒見がよく生徒の力をうまく引き出している学校を掲載した。ぜひわが子に合う学校を選んでほしい。

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18歳人口の減少が加速して冬の時代を迎えつつある。大学生の7割強が通う私大は増加、定員割れが増えている。今後は再編、淘汰が不可避だ。大学M&A時代の到来も現実味を帯びる。ただ、受け皿になりうる私大からは「少子化時代に吸収合併で膨れ上がるような発想は危険」と警戒する声も。有力私大も海外留学や英語力強化などグローバル化対応やIT機器整備を進めており余裕はない。