森信親金融庁長官が「銀行業は規模の利益が働く。統合してコストを削減しようというのは一つの考え方」と語るように、地銀再編はその収益と密接にかかわる。経営状況が厳しくなれば、統合や合併で生き残りを図ろうとする。そこで、2017年3月期の決算からコア業務純益の小さい順にランキングした。

コア業務純益とは、預金・貸し出し、有価証券利息などの収支である資金利益と法人・個人向けの手数料の収支から成り、銀行本来の業務による収益力を示す(計算方法は表下の注に記載)。

島根銀行は唯一、コア業務純益が赤字だった。この赤字は島根銀にとっても初めてで、トップ人事でも異例の交代があった。昨年頭取に就いた青山泰之氏は「健康上の理由」からわずか1年で退任。銀行の取締役を15年に退き、リース子会社の社長を務めていた鈴木良夫氏が17年6月、新頭取に就いた。島根銀行の17年3月期は債券や株の売却益があり、連結最終利益は約10億円の黒字。だが18年3月期もコア業務純益は赤字が続く見通し。6月の会見で鈴木頭取は経営統合などについて「今のところ考えていない」と答えたが、その動向が注目を集めそうだ。

ランキング10位までで、5割前後の大幅な減益となったのは、福邦銀行、福島銀行、大東銀行の3行。福島銀行と大東銀行は福島県を地盤としており、福島銀行は資金利益、大東銀行は手数料収入の落ち込みが響いた。同じ福島県を地盤としながらも、県内トップの東邦銀行(64位)が前期比1.8%減にとどまったのと対照的だ。

福島銀行と大東銀行の筆頭株主は、プロスペクト・ジャパン・ファンドという投資ファンド。発行株数のうち、福島銀行の15.3%、大東銀行の15.9%を保有する。運用委託を受けているプロスペクト・アセット・マネージメント・インクが提出している大量保有報告書の保有目的の欄には「純投資及び状況に応じて重要提案行為を行うこと」とある。これまで株主提案を行ったことはないが、収益低迷が続けば、株主提案に動く可能性はゼロではない。

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