証券業界の両雄、野村証券と大和証券が時を同じくして営業体制の改革に動きだした。

野村は、今年4月に森田敏夫氏が社長に就任したタイミングに合わせて、20年間続いてきた同社伝統の「地区制」を解体。全国六つに分けた地区それぞれに置いていた担当役員を、事業法人や地方公共団体など顧客セグメントごとに再配置するとともに、全国158店の支店長を営業部門長の直下に置き直した。

森田社長は、その理由をこう語る。「地区制だと現場は担当役員の顔色を見て仕事をすることが多かった。だが、顧客にいちばん近いのは現場の営業員。彼らを束ねる支店長が中心となって、顧客の動向や地域の特徴に合わせた戦略を打ち出したほうがいい」。

(出所)取材を基に本誌作成

一方、大和証券は同じく4月に大和証券グループ本社と子会社の大和証券の社長に中田誠司氏が就任すると、国内の営業体制を従来のトップダウン型からボトムアップ型へと切り替えた。

これまでは本社から各支店にそれぞれの商品ごとの販売ノルマを設定していたが、これを百八十度転換。各支店が商品ごとの毎月の販売目標を本社に伝え、それらを積み上げ全社の月次目標とする。地域別の担当役員の役割も「営業の推進」から「支店のサポート」へと変更した。

「世界中でさまざまなイベントリスクが発生する一方で、顧客の置かれた状況は千差万別。いちばん状況がわかっているのは現場の営業員なので、現場が何をどれだけ売っていくかを最重要視する体制にした」(中田社長)

金融庁の厳しい目線 顧客接触の短さも端緒

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