横浜の事業所にある水素関連のデモプラント。新事業の武器となる独自技術を秘める

「自信を持っていこう」

大株主の三菱商事出身として、初めて千代田化工建設の社長に就いた山東理二氏は、就任1カ月で社員との対話集会を13回こなし、社内を鼓舞してきた。

プラント工事を手掛ける同社は前期に16年ぶりの最終赤字に転落した。ガス石油などの開発・生産にかかわるサブシー(海底海中)工事の合弁会社・イーマスチヨダサブシー(ECS)の経営悪化で約380億円の損失を出したためだ。

ガス石油開発など上流過程への進出は、前の中期計画の目玉だった。ECSは新興海洋工事会社と手を組み2016年3月に発足。同年9月には日本郵船の出資も得て盤石の船出のはずだったが、直後に座礁。翌年2月には発足わずか1年で米国連邦破産法第11条の申請に追い込まれた。

6月29日、そのECSは同業大手の英サブシーセブン社の完全子会社として再建されることが決まった。千代田化工に追加の損失はなく「リスクはゼロ。ECSの処理は完全に終わった」(山東社長)。

千代田化工は英サブシーセブンと半年をかけてサブシー工事分野での協業を探ることで合意。その結果を受けて、17年度中に戦略の再構築を完了するというのがシナリオだ。

ただ、継続するにしても「多額のリスク投資をする考えはない」と山東社長は言い切る。前中計の策定時と異なり、原油価格は大きく下落している。この分野の位置づけが後退することは明らかだ。

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