大きな声ではできない話なので、当匿名コラムで書かせていただく。

会社勤めをしながらこの手の原稿書きをしている筆者の場合、副業の収入が本業を上回るようになってからもう何年も経つ。副業はだいたい夜か、休日に行っている。ちなみに当コラムは、発行日前週の日曜夜に書くことが多い。

筆者の本業は会社が労働時間をコントロールしている。パソコンが稼働している時間が労働時間と見なされ、労働基準監督署の手前もあり、深夜や土日にスイッチを入れるとチェックが入る。実に煩わしい。

ところが副業分を入れた筆者のトータル労働時間は、幸いにも誰も見ていない。働きすぎは自分で管理するしかない。しかし似たような境遇の方ならすぐにおわかりだろうが、世の中に副業がつらくて過労死する人はいない。大体が本業で疲弊するのである。

およそ世の中の労働というものは、その仕事が「匿名か実名か」で分類すべきであろう。「会社の名もなき一員」として働く場合は、社員が時間で管理されることには合理性がある。「匠の技」の職人などを別にすれば、ほとんどのブルーカラー労働はここに属する。

逆に「プロ経営者」や「人気ストラテジスト」のように、その名を知られているがために仕事を得ている人たちの場合、時間給を計算する行為はまったくばかげている。それはアーティストや作家に対して残業時間を尋ねるのと同じである。

しかるがゆえに、「ホワイトカラーに残業代はいらない」というのが国際標準の発想となる。彼らは大学教授のように「実名」で仕事をし、評価を得ているのだから裁量労働制でよいはずだ。賃金は時間ではなく、成果に対して支払えばよい。

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