今年3月、リコーの社員向けサイトに「リコー再起動」と名付けられた動画がアップされた。その内容は社長就任を4月に控えた副社長の山下良則による、決意表明のメッセージだった。

「輝かしいリコーを取り戻すため、再起動のスタートラインに立ちましょう」。山下は熱意を語るとともに、これまでの経営の問題点を訴えた。1本5分程度の動画3本にまとめられ、日英2カ国語で配信された。

この動画が、社内で賛否両論を呼んだことは想像に難くない。前社長の三浦善司が在任中にもかかわらず、山下は新体制での改革ビジョンを具体的に語った。特命担当役員を指名し、直轄プロジェクトも立ち上げた。一連の言動が勇み足と受け止められても、仕方がないだろう。この背景には、山下の強烈な危機感があった。

価格下落が止まらない 崩れたビジネスモデル

社長就任間もない4月12日、山下は経営説明会でリスクシナリオを明らかにした。その内容は「価格下落が続くことで、現在のコスト削減では2019年度に赤字になる」という深刻なものだった。

リコーの売上高の9割はコピー機などの事務機が中心の画像&ソリューション分野が占めるが、この屋台骨が3年後には稼げなくなることを意味していた。業界2位のリコーがここまで苦境に追い込まれたのには、外部環境の変化に加え、特有の事情も影響している。

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