毎年夏恒例の「経済財政白書」(年次経済財政報告)が公表された。今年のテーマは「技術革新と働き方改革がもたらす新たな成長」。安倍晋三政権が最近力を入れている政策を分析の俎上に載せた。

260ページ弱の白書の中で、目立たないが注目されるのは財政金融政策動向の分析だ。昨年度も類似の分析はあるが、今年の白書では「基礎的財政収支は税収の伸び悩みから改善に遅れ」があるとしたうえで、基礎的財政収支を改善する大きな要素である法人税収(2007年度以降)と給与所得税収(10年以降)について、それぞれの増減を寄与度分解している。

まず法人税収は、「課税ベース」や「成長」「実効税率」など、五つの要因に分解している。

07年度以降、法人税収を押し上げたのは課税ベース要因であることは一目瞭然だ。税制改正によって租税特別措置を減らし、外形標準課税を拡大。さらに、繰越欠損金が解消して、税務上の黒字法人が増えて課税ベースの広がったことが法人税収増に寄与した。

逆に、12年度以降、段階的に引き下げられた実効税率は法人税収を押し下げる要因となった。法人実効税率は11年度まで40%前後で推移していたが、12年度に36.99%、14年度に34.62%と徐々に低下、16年度以降は30%を切る水準まで下がったことが税収減に直結した。

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