多くの小学校、中学校、高校の教員たちは過労死ラインを超えるほどの長時間労働を余儀なくされている。小・中学校の場合は休憩時間すらほとんど取れないノンストップ労働だ。

長時間労働が常態化している背景には授業時間数が増えていることが挙げられる。ただ理由はそれだけではない。

たとえば貧困家庭の増加、子どもや親の発達障害の増加が学校教育に大きな影響を与えている。従来は家庭が担っていた役割を果たすために教職員は多くの時間を使わざるをえないのが実態だ。平日の朝や長期休暇中にも給食を出したほうがよいと話題になっている地域があるほか、親からの相談の電話に夜遅くまで対応するのも珍しくない。

「学校は教育機関というよりは『福祉機関』になりつつある」

生涯学習論を専門にする牧野篤・東京大学大学院教授はそう述べている。

学力の向上や不祥事の防止など、さまざまなことに対して教育行政や学校は説明責任を求められるようになった。教員は子どもたちが校内にいる間は目を離すことができない。そして児童生徒の下校した後は、書類の処理や授業準備が待っている。

「学校現場にこれ以上期待されても無理」

「会議の見直しなどできることはすでにやっている。国が教員数を増やすなどしてくれないとどうにもならない」

現場の教員たちからはこうした声が数多く上がる。改善が必要とわかってはいても、職員室が“あきらめモード”になっていることも少なくない。

しかし少し立ち止まって考えてみると、できることが多いのもまた事実だ。学校の今をきちんと診断すると、学校や国、教育委員会、保護者、地域がやるべきことは見えてくる。

「子どものため」が多忙化を加速させる

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