慶応義塾大学総合政策学部准教授 中室牧子(なかむろ・まきこ)●1998年慶大卒。米コロンビア大学でPh.D.取得。日本銀行や世界銀行などを経て2013年から現職。専攻は教育経済学。著書に『「学力」の経済学』、共著に『「原因と結果」の経済学』。(撮影:尾形文繁)

教員の人数はどのくらいが適正なのか。通常こういった問題を考えるときは、社会実験やエビデンス(根拠)を基に政策的な議論をして予算配分を決める。だが日本にはエビデンスがない。だから文部科学省は教員を増やそうとするし、財務省は教育予算で人件費の割合が大きいので減らそうとする。根拠に基づく議論がされず、水掛け論になっている。

教員の適正な人数を考える際に、解決を難しくする日本特有の事情が二つある。一つ目は教員が多くの仕事を抱えている点。日本は授業もいじめ問題への対応も何もかも教員がやっているから、人数を増やせとなり、議論が複雑になる。海外ではまず仕事を分ける議論をしたうえで、教員だけではなく、支援員を入れる選択肢も考える。

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP