政府が国家公務員と地方公務員の定年を65歳に引き上げる検討を進めている。

公務員の公的年金制度は支給開始年齢が段階的に65歳に引き上げられる途上にある。今回の動きは雇用と年金の接続が主眼とも思えるが、実態は異なる。

2013年3月の閣議決定により、国家公務員では定年後の再任用制度が定着。希望者はすべて65歳に達するまで1年以内の再任用を繰り返すことができる。つまり、支給開始年齢引き上げへの対応は済んでいる。

ではなぜ今、定年延長を議論するのか。

再任用制度では、60歳超の基準給は7割に減り、役職や職責なども下がるため、「給与はダブルで下がる」(内閣人事局)。この辺りは民間企業の制度設計をまねたものだが、その結果、シニアのモチベーション向上が課題という状況も同じになった。省庁の課長補佐が定年後に係長になり、後輩職員の部下になるということが現実に起きている。

某省庁幹部は言う。「職員の意欲や能力に応じた給与をどのように与えるか。給与も職責も下がるだけの働き方から脱却できるかが議論の中心になる」。

今回の議論の発端は、今年6月に公表された政府の経済財政運営の指針「骨太方針2017」に、定年延長の検討が盛り込まれたことにある。そのことからもわかるように、真の狙いは働き方改革=シニアの働き方支援なのだ。

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