北朝鮮が初めて核実験を行った2006年秋、筆者は当欄に「にわか核武装論議の迷惑」という小文を寄せたことがある。

当時、自民党の中川昭一政調会長が核開発に前向きな発言をし、政府は火消しに追われていた。ちょうど「原子力ルネサンス」が叫ばれていた時期だけに、核武装論議で現場は迷惑してますよ、と筆者は述べた。だが11年後の今日、状況は大きく変わってしまった。

核武装に関する政府見解は、日本が核を持つこと自体は違憲ではないが、「持たず、作らず、持ち込ませず」の原則を堅持するというものだ。しかるに非核三原則は国内法でも条約でもなく、単なる国会決議。国是のように扱われているのは「気分」によるものである。

この国の常として、気分は一夜にして変わりうる。北朝鮮による8月29日の弾道ミサイル発射、9月3日の核実験は楽観ムードを吹き飛ばした。安保上の脅威はリアルなもので、国際社会の連携や日米同盟はあまり頼れない。日本の安全は自分で考えねばならない。

そこで日本の核武装はどの程度、現実味があるのか。

純粋に技術的な問題としては、「核弾頭試作まで3年から5年程度」といわれている。国内には公称47トン、ホントは約11トンのプルトニウムがあるので、やってやれないことはない。核実験を国内のどこでやるか、といった難問は残るが、そこは突っ込まずに先に進もう。

プラスの視点 アクセスランキング バックナンバー一覧 TOP