国際社会が北朝鮮に振り回されている。相次ぐミサイル発射に続いて9月3日、6度目の核実験を強行。「ICBM(大陸間弾道ミサイル)に搭載できる水爆」と豪語している。最終的には米国との直接交渉で体制の保障を引き出し、核保有国として認知させようという狙いは明らかだ。

米国は「核・ミサイル開発の放棄が前提」として、容易には交渉に応じない姿勢で、軍事攻撃を含めて「すべての選択肢がある」と牽制する。だが、北朝鮮の挑発はやむ気配がない。日本列島を飛び越えるミサイルも発射され、日本にとっても重大な脅威となってきた。

8月、ミサイル発射をめぐって北朝鮮は複雑な動きを見せた。まず、米国領グアム周辺に弾道ミサイルを発射する計画があることを公表。トランプ米大統領は「北朝鮮は世界が目にしたことのないような炎と怒りに直面する」と激しく反発した。その後、北朝鮮はグアムへのミサイル発射を行わずにいる。ただ、米国が自国領への攻撃には敏感に反応することを北朝鮮は把握することができた。

次に北朝鮮は日本海に向けて短距離ミサイルを3発発射。これが韓国への威嚇であることは明らかだ。韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は批判したが、「親北」といわれるだけに、反発のトーンは激しくない。北朝鮮は韓国の反応を知ることができたのである。

8月29日には平壌(ピョンヤン)国際空港がある順安(スナン)から東に弾道ミサイルを発射。北海道の襟裳(えりも)岬を越えて約2700キロメートル飛んだ。安倍晋三首相は「これまでにない脅威」として北朝鮮を非難した。北朝鮮は、このミサイル発射について「107年前の韓日併合の恨みを晴らす」などと表明した。107年前の1910年には「日韓併合」が強行された。朝鮮半島の人々が日本を批判する「原点」ともいえる「韓日併合」を指摘することで、日本を批判するとともに、日本と共同歩調を取る韓国を牽制する狙いもある。北朝鮮はミサイルをテコにして米国、韓国、日本に向けて外交・安全保障の揺さぶりをかけている。そして9月3日には核実験に踏み切った。日米韓だけでなく、中国、ロシアも激しく非難したが、今後も核・ミサイルによる挑発は続くだろう。

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