8月に北朝鮮が2週間ほどミサイル発射・核実験を行わなかった時期がある。これを受けてティラーソン米国務長官は、北朝鮮が「自制」を示していると語った。同国に対話の用意があるとの見立てだったのかもしれない。

しかし、北朝鮮はその後、日本の北部上空を通過する形で弾道ミサイルを発射。自制を示していると語るには、確かに早すぎた。

だが、北朝鮮には米国と対話する用意があるとのティラーソン氏の見方は正しい。ただし核保有国の北朝鮮としてである。北朝鮮の核放棄は6カ国協議の枠組みにおける2005年の共同声明に明記されたが、今、こうした条件に応じる考えがないのは明らかだ。

共同声明では、北朝鮮が核兵器および核開発を放棄する代わりに、残り5カ国(中国、日本、ロシア、韓国、米国)は経済・エネルギー支援を行い、北朝鮮の主権を尊重し、外交正常化を模索するとされた。5カ国は約束を守ったが、北朝鮮は自らの義務を否定し、09年に6カ国協議から離脱した。

その後、金正恩(キムジョンウン)政権は朝鮮半島の非核化を目的とする6カ国協議の再開に何ら関心を示していない。12年の改正憲法で、北朝鮮は自国が核保有国だともうたった。

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