好調な企業業績と、設備投資に対する企業の慎重姿勢──。財務省が9月1日に公表した4〜6月期の法人企業統計からはそんな対照的な現状が浮かび上がった。

同期の経常利益(金融業、保険業を除く)は21.1兆円(季節調整値)と、3四半期連続で過去最高を更新した。牽引したのは非製造業だ。特に建設業では五輪関連の需要で案件が豊富な中、利益率の高い案件を優先的に受注した結果、売上高は横ばいながら経常利益が大きく増加した。

製造業では石油・石炭が市況下落の影響から大幅に落ち込んだ一方、鉄鋼や輸送用機械が伸び、高水準を維持した。鉄鋼では原料価格の上昇に伴う在庫評価益が収益を押し上げた。輸送用機械では、昨年末以降にモデルチェンジした車種の販売が伸びたことなどがプラスに働いた。

ただ好業績が続いているにもかかわらず、足元の設備投資額の伸びは鈍化している。4〜6月期は前年同期比1.5%増と3四半期連続で増加したが、1〜3月期の同4.5%増からは大きく減速した。

足を引っ張ったのが製造業だ。同期の製造業の設備投資額は同7.6%減。大手を中心に海外での設備投資を活発化させている企業はあるが、法人企業統計には海外子会社の設備投資額は含まれない。折からの人手不足を受けて食料品などで国内市場向けに省力化投資を進める動きもあるが、統計全体に影響を及ぼすほどには本格化していない。

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